医療福祉の税務情報
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文書作成日:2017/06/15


 6月は、新しい年度の住民税の納付が始まる時期です。以前でしたら、スタッフの住民税はスタッフ自身で納付する“普通徴収”が多かったと思います。しかし、この頃はクリニックがスタッフへ支払う給与から天引きし、クリニックが納付する“特別徴収”が多くなっていることと思います。そこで今回は、この普通徴収と特別徴収について、基本的なことをおさらいしてみましょう。


 個人の住民税は、基本的にその年の1月1日時点で住んでいる場所の自治体が、その個人の前年分の所得をベースに計算し徴収する税金で、いわゆる“賦課徴収”と呼ばれるものです。
 個人の住民税には、都道府県単位のもの(道府県民税)と市町村単位のもの(市町村民税)があります。これらをあわせて“住民税”といわれているのは、市町村(特別区)が統括して管理徴収しているからです。


 住民税は、次のいずれかで納付をします。
  1.普通徴収
  2.特別徴収


1.普通徴収

 普通徴収とは、個人自らがその納付する市町村の納期にあわせて納めることをいいます。通常、納期は1年度につき4回に分かれており、6・8・10・1月などと市町村が独自に定めています。

 毎年5月頃に市町村から“決定通知書”が納付書とともに自宅などの住所地へ届き、その通知書(納付書)をもとに納期限に間に合うように納めます。

 納付方法は、現金、口座振替、クレジットカードなど納付する市町村によって納付できる方法に違いがあります。


2.特別徴収

 特別徴収には、給与からのものと公的年金からのものとがあります。ここでは給与からのものについて、基本的なことをご紹介しましょう。

 特別徴収とは、給与を支払う事業者が従業員に対して支払う給与から住民税を差し引いて、従業員が納めるべき市町村へ、事業者が納めることをいいます。
 つまり従業員は、事業者を通じて住民税を納めていることになります。

 毎年5月頃に従業員が住んでいる市町村から“特別徴収税額の決定通知書”が事業者へ届きます。この通知書をもとに6月分の給与から毎月天引きし、基本的には差し引いた翌月の10日までに事業者が納めます(半年に1度の納付“納期の特例”も申請することで認められます)。事業者のもとへ届いた通知書のうち“納税義務者用”については、事業者から該当の従業員へ渡します。



 このような一連の事務を行う事業者を、“特別徴収義務者”といいます。

 特別徴収義務者は、給与の支払いをしている事業者で所得税の源泉徴収義務がある者をいい、従業員の住民税も徴収しなければならないこととなっています。

 以前は給与支払報告書に“普通徴収を希望する”ことを明記していれば、特別徴収ではなく普通徴収が認めてもらえていたため、少人数のスタッフで構成するクリニックなどでは、普通徴収を希望し、特別徴収義務者として住民税を納めていなかったと思います。
 しかし昨今では、自治体が原則的な取扱いである特別徴収の推進活動を行っており、なかなか普通徴収を希望しても認めてもらえなくなってきています。


 特別徴収の場合には上記のような基本的な徴収事務の他、中途入社の従業員については入退社月によって、住民税の手続きなどの事務作業が発生する場合もあります。地方税である住民税は国税のような一律の対応ではないため、手続きについての細かな点は各市町村へ問い合わせる必要があります。


 特に平成29年度からは、基本的には“特別徴収税額の決定通知書”にマイナンバーが記載されています。もしマイナンバーが記載されている通知書を受取った場合には、当然、番号法に基づく対応が求められます。今年度からはこの点も十分にご留意ください。



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